独学で偽サイトを作った?!
YouTubeで独学する小学生の驚異的な成長と、親が守るべき「境界線」
「先日、子どもたちと話しているときに「この前、〇〇ってサイトのログインページ作ったんだよ!」と言う子がいました。
「えっ、すごいね?! どうやって作ったの?プログラミング教室に通ってたっけ?」と聞いたら、「YouTubeで作り方を教えてくれる動画があったから、それを見て自分で作ったんだ!」と、教えてくれました。
プログラミング教室に通っているわけでもなく、高価な教材があるわけでもない。ただ、家にあるパソコンと、いつものYouTube。自分の興味の向くままに、インターネットにあふれる情報を活用して新しいものを作り上げてしまう。そんなデジタルネイティブ世代の子どもたちの好奇心と吸収力には、頼もしさを通り越して、ある種の感動すら覚えるのではないでしょうか。
しかし、その感動の裏側で、ふと「ある不安」が頭をよぎることはありませんか?
「この画像、勝手に使っても大丈夫なものかな?」 「もしここに、うっかり自分の本名や住所を書き込んで公開してしまったら……」 「そもそも、この子が参考にしているYouTubeの動画、本当に正しいことを言っているのかしら?」
今、多くの子どもたちが直面しているのは、「技術(やり方)は手に入れたけれど、それを安全に使いこなすための『知恵(リテラシー)』が追いついていない」という危うい状況です。
1. 「習い事」の常識を覆す、子どもの「好き」という爆発力
今の時代、プログラミング教育が必修化され、「早いうちから教室に通わせなきゃ」と焦る親御さんも多いでしょう。しかし、先のエピソードの子は一度もプログラミング教室に通っていません。子どもが手にしたのは、プログラミング教室のテキストではなく、YouTubeでした。
大人は何かを学ぶとき、「まず基礎から」「HTMLとは何かという概念から」と順序立てて考えがちです。しかし、子どもの原動力はいつだって「これ、面白そう!」「自分も作ってみたい!」という純粋な好奇心です。
「自分の好きなゲームの紹介サイトを作りたい」
「ボタンを押したら画面が変わる仕掛けを作ってみたい」
その「ゴール」が明確にあれば、子どもたちは驚くべき集中力で、YouTubeなどにアップされている親切な解説動画を自力で探し出します。専門用語がわからなくても、動画を一時停止し、巻き戻し、画面に映るコードを必死に書き写す。
子どもたちは「おもしろそう!」と興味が湧いたら、難しいことでも一生懸命理解しようと調べたりして、スキルを身につけていくことができます。この「わからないことを、自力で調べて解決する力」こそ、これからの社会を生きる上で最も価値のあるスキルと言えるかもしれません。
2. 目の前で起きた「小さな奇跡」をどう受け止めるか
お子さんが作ったデモページをよく見てみてください。プロが作ったものに比べれば、デザインが崩れていたり、リンクが飛ばなかったりするかもしれません。しかし、そこには「試行錯誤の跡」が詰まっています。
「ここ、最初は上手くいかなかったんだけど、別の動画を見たら解決したんだよ!」
そう語るお子さんの目は、きっとキラキラと輝いているはずです。この時、子どもたちが手に入れるのは「プログラミングの知識」だけではありません。
- 「自分でもできるんだ!」という自己効力感
- エラー(失敗)を乗り越えたときの達成感
- 何もないところから形にする創造力
これらは、どんなに高い月謝を払っても、受動的な授業ではなかなか得られない宝物です。教室に通わなくても、好奇心というエンジンさえあれば、子どもは勝手に走り出すことができる。その姿は、親としてこれ以上なく頼もしく、頼りがいのあるものに映るでしょう。
3. 「やり方」は動画が教えてくれる。でも、「あり方」は?
しかし、手放しで喜んでばかりもいられないのが、インターネットの世界の難しいところです。独学でどんどん知識を吸収していく姿に感心する一方で、保護者として見逃せない「危うさ」も確実に存在します。
技術(プログラミング)は学べても、「情報リテラシー(ネットの正しい歩き方)」は、YouTubeの動画だけでは学べないからです。
もし、お子さんが作成したデモページに、次のような内容が含まれていたら…と想像してみてください。
- 著作権の侵害
好きなアニメのキャラクター画像を勝手に使ってしまう。 - 個人情報の流出
デモページの中に、自分や友達の本名、住所、電話番号を「サンプル」として書き込んでしまう。 - 情報の正確さ
検索結果に出てきた、不適切な広告やフィッシングサイトに誘導されるリスク。 - 誹謗中傷への無知
公開するつもりはなくても、誰かを傷つけるような表現を無自覚に使ってしまう。
子どもは「面白いものを作る」ことに夢中で、その裏にある法律や倫理、リスクには目が向きません。「包丁は便利だけど、使いかたを間違えると危ない」というのと同じで、ITという強力な武器を手に入れた子どもには、それを制御する「心のブレーキ」も同時に必要なのです。
「危ないから包丁は触らせない」という教育は、今の時代には現実的ではありません。大切なのは、「どうすれば安全に、より良くその道具を使いこなせるか」を、子ども自身が自分で考えて判断できる力を育てることなのです。
4. 親ができる「最高のサポート」とは?
「独学はすごいけれど、ネットの世界は怖い。だから禁止する」それでは、せっかく芽生えた才能を摘み取ってしまいます。私たち大人がすべきなのは、「伴走者」になることです。
① 技術は子どもに教わり、モラルは親が伝える
「これ、どうやって作ったの? すごいね、教えて!」と、技術面ではお子さんを先生として敬いましょう。その上で、自然な会話の中でリテラシーを差し込んでいきます。
「この画像、素敵だね。でも、これを作った人にお願いしなくて大丈夫かな?」
「ネットにアップするときは、誰が見るかわからないから、名前はニックネームにしようね」
② 「公開」の前にチェックする習慣を
「世界中の人に見てもらう前に、まずはパパとママに見せてね」というルールを作るのも良いでしょう。デモページを作る楽しさを尊重しつつ、最後の門番としての役割を果たすのです。
③ 失敗を責めない
もし、著作権に触れるようなことをしてしまっても、まずは「知ろうとしたこと」「作ろうとしたこと」を認め、その上で正しく導いてあげてください。
まとめ:未来を創る「好奇心」を、守り育てる
「プログラミング教室に通っていない小学生が、動画を見て自分でデモページを作った」
この出来事は、単なる「スキルの習得」以上の意味を持っています。それは、お子さんが「消費する側(ゲームで遊ぶだけ)」から「創造する側(仕組みを作る人)」へ一歩踏み出した、記念すべき瞬間です。その好奇心は、将来どんな職業に就くとしても、必ず大きな武器になります。
私たち大人の役割は、彼らの進む道の先を全て平らに整えることではありません。彼らがインターネットにあふれている情報を自分で判断して使えるように、「羅針盤(モラルとリテラシー)」を一緒に持ち、時には後ろからそっと支えることではないでしょうか。
わが子が目を輝かせてパソコンに向かっている背中。その頼もしさを信じつつ、そっと見守り、正しい方向にガイドしてあげたいですね。
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「ネットって難しい…」
「子どもにどう教えればいいんだろう…」
そんなふうに感じたことはありませんか?今の子どもたちは私たちが子どもだった頃よりもずっと早くインターネットと出会います。だからこそ情報を正しく読み取る力自分で考える力が大切です。
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